百聞は一見にしかず – 「ヘッドウォータース(4011)」を振り返ってみよう

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こんにちは、10mo8mituです。

株を取引していて、「どうしたらテンバガーを掴めるの?」「銘柄を持ち続ける握力が弱く、中々長期で銘柄を保有できない」とお悩みではないでしょうか。

今回の記事では、過去にテンバガーとなった銘柄の過去の情報(四季報情報、株価上昇要因)やチャートを振り返ることで、今後、テンバガーを掴む際に必要な要素を学ぶことができるように記載しました!

振り返りの流れとして、以下のような流れで各内容を確認していきたいと考えています。

1.過去の株価上昇チャート

2.値上がり前の企業情報(ここで株を買える要素、ヒントがあったか!?)

3.株価上昇中期間の企業情報や株価変化(手放さず持っていられるか!?)

4.振り返り

テンバガーになった銘柄も毎日上昇し続けていたわけではなく、大幅な下落相場も経験し、テンバガーになったことを知って頂き、どのタイミングで売買すべきかを、過去にテンバガー銘柄を持っていたという前提で疑似的に体験して頂き、今後の投資の参考にして頂ければ幸いです。

今回は、2023年の1年の間に約10倍株となったヘッドウォータース(4011)の振り返りを行なっていきます!

それでは、順に見ていきましょう。

ヘッドウォータースの過去の株価上昇チャート

まずは、ヘッドウォータースの過去の株価上昇チャートについてです。

次のグラフが、ヘッドウォータースの2021年~2023年の月足チャートを示しており、安値が2022年12月の約1,600円となっており、高値が2023年7月の約16,000円となっています。

つまり、高値を安値で割ると、16,000 ÷ 1,600 = 10となり、アイサンテクノロジーを安値で買い、高値で売った場合、10倍株となったということになります。(100万円投資していた場合、たった8ヶ月で1,000万円になったということですね…夢がありますね)

それでは次に、株価値上がり前の企業情報を確認したいと思います。

株価値上がり前の企業情報

株価値上がり前の企業情報としては、値上がり前(今回は2023年1月以前と設定)の当時の業績情報や事業内容、四季報に記載の内容を確認し、値上がり前にヘッドウォータースの株式を購入しようと考える要素やヒントがあるかを見ていきたいと思います。

ヘッドウォータースの企業概要は、以下となります。

企業概要の特色にも記載しているように、ヘッドウォータースは、AIを活用したソリューションを提供しており、Chat-GPTなどを用いた生成AIを活用したソリューションを提供している企業のようです。

業績情報

次に、業績情報を確認していきます。

業績情報は、それぞれ以下の項目を株価上昇の兆しがあった2023年1月以前の4年間の数値(グラフには2018年の表記がありますが、ヘッドウォータースのIRライブラリに開示されていた業績情報が2019年までだったため、2018年は空白となっています)を確認していきます。売上高と営業利益、純利益については、期末決算時に発表していた業績予想も記載しています。

業績情報の確認項目(※一部、グラフ下にウォーレンバフェット指標を記載)

  • 売上高
  • 営業利益
  • 純利益
  • 流動比率(=流動資産/流動負債)
  • 現金
  • ROE(株主資本利益率=純利益/純利益)
  • EPS(1株当たり利益=純利益/発行済み株式総数)
  • キャッシュフロー・マトリックス

ウォーレン・バフェット指標:過去5年以上0.5%以上か?

ウォーレン・バフェット指標:現金の推移は安定しているか、右肩上がりか?

ウォーレン・バフェット指標:株主資本利益率(ROE)は安定的に高い数値か?

参考:2018年 日本の上場企業ROE平均値9.4%(出典:経済産業省)

ウォーレン・バフェット指標:1株当たり利益(EPS)が安定的に高くなっているか?

ウォーレン・バフェット指標:キャッシュフロー・マトリックスが安定期もしくは投資期か?(下図参照)

キャッシュフローマトリックス住み分け

業績情報をグラフで見ると、売上高は右肩上がりとなっており、営業利益や純利益に関しては、上がったり下がったりしていることが分かり、営業利益や純利益が2020年から2021年にかけて低下した理由としては、先行的な人員投下、不採算案件対応、本社移転などが影響したようです。

これらの数値より、売上高が上昇していることから、需要は堅調であると考えられ、またAIやDXといった、時代のトレンドを掴んだ事業をしていることから、個人的には、株価大幅上昇前にヘッドウォータースの株式を購入しても良いのではないかと感じました。

四季報情報

次に、株価値上がり前の四季報情報を確認していきます。

■四季報2022年夏号(2022年6月17日発売)

出所:「会社四季報」2022年3集夏号

まず、株価上昇が始まった2023年1月から1年以上前に発行された、四季報2022年夏号の内容を確認していきたいと思います。

四季報の記載で好印象を持った部分としては、時価総額が約31億円とかなり低い点で、当時ヘッドウォータースが所属していた東証グロース市場の時価総額平均が約110億円、東証プライム市場に至っては時価総額平均が約3,600億円(2022年時点)で、上場している中でも時価総額が低く、発展途上の企業ということで、時価総額が上がる余地がある点は好印象に感じました。

また、それ以外にも大株主が社長である点も、大量に保有している自社株の株価を上げることが自己資産を伸ばすことに繋がり、経営に力を注ぐモチベーションも維持されると考えられることも好印象に感じました。

あとは、米半導体大手のエヌビディアとエッジAI、DXで協業を開始していることや、需要が高まるIoT案件を開始する等、今後の売上上昇が期待できる分野の事業を活発にしているほか、社内人材の定着率を高めるためリモート勤務や女性の働き方改革を進める等、働き方の多様性にも力を入れていることは好印象に感じました。

■四季報2022年秋号(2022年9月16日発売)

出所:「会社四季報」2022年4集秋号

次に、四季報2022年秋号の内容を確認していきたいと思います。

好印象を持った部分としては、マイクロソフトからの紹介案件、ラボ型案件増加でDXが増勢になっており、売上向上が期待できる点が好印象と感じました。

一方で、あまり印象が良くない部分としては、AIの伸び悩みが挙げられ、AI案件の伸び悩みによって、業績が悪化することが懸念される点があまり印象が良くないと感じました。

■四季報2023年新春号(2022年12月16日発売)

出所:「会社四季報」2023年1集新春号

次に、四季報2023年新春号の内容を確認していきたいと思います。

好印象を持った部分としては、四季報の前号において、伸び悩みがあったAI案件が復調してきたという点が好印象で、そのほかにも、製造・小売り・建設業向けにAIのラボ型案件が拡大している点も、今後の業績向上が期待でき、好印象に感じました。

以上の内容が、株価値上がり前の四季報3期分の情報となりまして、四季報2022年秋号でAIが伸び悩みの情報がありましたが、四季報2023年新春号で復調の情報があったことで、今後の業績向上が期待できる内容が多かったように感じました。

株価上昇中期間の企業情報や株価変化

それでは次に、ヘッドウォータースを購入していたとして、どのような株価変動で株価が上昇していったか、その中でどのような企業情報の変化があったかを確認し、当時ヘッドウォータースの株を持っていた場合にホールドし続けられるかを確認していきたいと思います。

次のチャートは、安値であった約1,600円からテンバガーとなった、2023年1月〜2023年7月の日足チャートを示しています。

チャートを確認すると、急上昇ポイントが複数あり、その後、大きな下落ポイントも複数あることが分かります。

この下落ポイントで、如何に売らずにホールドできるかの忍耐が、テンバガーを掴むためには必要であるかを物語っているように感じます。(ただ、7月の大幅下落後、株価はすぐに戻っていないため、売りどころも重要となります)

それぞれのポイントを確認し、どのような出来事があったかを見ていきたいと思います。

急上昇ポイント①

まず、チャートに示した急上昇ポイント①の株価上昇理由などを確認していきたいと思います。

急上昇ポイント①の株価上昇理由としては、マイクロソフトのオープンAIへの投資でAI関連銘柄が買いを呼んだことと、2022年12月期の通期決算報告を行い、この決算で従来の経常利益予想では前年に対して、減益予想から一転して増益となったこと及び、来期の2023年12月期の予想も2022年12月期を超える見通しを発表したことから、株価が上昇したようです。

この株価上昇によって、2023/2/8に付けていた安値2,037円が、2023/2/22には高値4,095円まで上昇しており、この上昇によって、株価が101%上昇しています。

たった2週間で株価が2倍以上に上昇しているため、この段階で一度売ってしまおうかという気持ちになる人も多くいるのではないかと感じました。

一方で、その上昇の反動でなのか、たった1日で株価が1,000円(▲25%)近く下落しており、上昇分、下落してしまう(含み益が小さくなってしまう)のではないかという怖さから、この株価下落で狼狽売りしてしまう方もいるのではないかと感じました。

急上昇ポイント②

次に、急上昇ポイント②の株価上昇理由などを確認していきたいと思います。

急上昇ポイント②の株価上昇理由としては、上述の四季報にも記載していたエヌビディア関連のニュースによって、株価上昇しており、具体的にはエヌビディアのエッジAIスーパーコンピューターに標準対応したエッジAIデバイス管理ソリューションを開発したことを発表したことが影響したようです。

また、その発表の数日後にソニーネットワークコミュニケーションズが提供するIoTネットワークサービスのパートナーとなることも発表しており、これらのIR情報が好材料と判断され、株価が上昇したようです。

この株価上昇によって、2023/4/6に付けていた安値5,200円が、2023/4/19には高値9,220円まで上昇しており、この上昇によって、株価が77%上昇しています。

この時点で、株価が上昇する前の2022年12月にヘッドウォータースの株を購入していた場合、1,600円の株価でしたので、9,200 ÷ 1,600 = 5.75となり、100万円分買っていたとすると、100万円が575万円となり、含み益が475万円となります。

中々この短期間でここまで株価が上昇する株を掴むことは難しく、投資初心者であれば、利益確定してしまいそうだと感じましたが、今回のケースでは、このタイミングで売るには時期尚早で、急上昇ポイント③がありますので、急上昇ポイント③の内容を確認していきましょう。

急上昇ポイント③

最後に、急上昇ポイント③株価上昇理由などを確認していきたいと思います。

急上昇ポイント③の株価上昇理由としては、AI/IoTにおけるトータルサービス・ソリューションブロバイダーのマクニカと協業し、米半導体大手のNVIDIAの製品を利用したエッジAIの企画から運用まで包括的サポートを提供することを発表しています。

また、Chat-GPTが世間に周知されたことにより、生成AIをビジネスに活用する意識が拡がり、AIソリューションを事業としているヘッドウォータースも案件が増加するという期待から株価が上昇したと考えられます。

この株価上昇によって、2023/6/2に付けていた安値9,670円が、2023/7/3には高値16,630円まで上昇しており、この上昇によって、株価が72%上昇しています。

この株価上昇によって、2022年12月にヘッドウォータースの株を購入していた場合、16,000 ÷ 1,600 = 10となり、100万円分買っていたとすると、100万円が1,000万円となり、含み益が900万円となったことになります。

ただ、2023/7/3につけた高値以降、株価は下落トレンドとなり、2023/7/27には、株価が10,000円を割り、9,680円まで下落してしまっており、急上昇ポイント③で上昇した分は約3週間で無くなってしまうチャートとなりました。

このような短期間で急上昇した株は、短期でトレードする投資家が増える傾向があると考えられ、この短期トレードの投資家が急いで利益確定もしくは損切りを行うことで、株価下落に歯止めが効かず、短期間で大きく下落することが多いのではないかと感じました。

振り返り

テンバガーとなったヘッドウォータースを振り返ってみていかがだったでしょうか?

ヘッドウォータースは、第3次AIブームの時流にうまく乗り、ビジネスマンが生成AIをビジネスに活用する意識の火付け役になったといっても過言ではない高性能なChat-GPT(GPT-4)が使えるようになったことで、AIソリューションを提供しているヘッドウォータースへの案件増加にも繋がり、今後の更なる需要増加の期待が高まり、短期間で株価が急上昇したと考えられます。

ただ、短期間で株価が上昇し過ぎた分、下げも大きく、売るタイミングが難しいチャートではありましたが、含み益の目標値を定めておき、その目標値が超えた時に株を売る等のように、ルールを決めておくのも一つの手段ではないかと感じました。

私は、欲深い自分が出てきて、もっと上がるだろうと考えてしまい、なかなか高値で売ることができない場合も多いので、上述のようなルールを決めて、感情を排除し、機械的にトレードをするようになりたいな〜と思った次第です…。

以上、最後までお読み頂きまして、ありがとうございました。

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