「株価が上がる」理由・要因

株知識

株をやっていて、「株価がなぜ上がるの?」と疑問を持たれた方は多いのではないでしょうか?

ということで、今まで個別銘柄における株価上昇の理由・要因を分析してきた経験を基に、【株価上昇の理由・要因】をまとめました!

今回の記事は、一般的な株価上昇の理由・要因について説明します。

そもそも株価はなぜ上下する?

株価が上がる理由・要因を説明する前に、「そもそも株価はなぜ上下するのか?」について、説明したいと思います。

株価のみならず、物価も同じ現象となりますが、株を買いたい人と売りたい人のバランスによって、株価は決まります。つまり、以下の図に示すように、需要(株を買いたい人)と供給(株を売りたい人)が変化する時に株価が変化(上下)します。

株価が上がる理由・要因

次に株価が上がる理由・要因について説明します。

先ほどの株価が上下する理由の部分で説明しましたように、株価が上がるということは、株を買いたい人が増えている状態を指しますので、何かしらの理由・要因によって、株を買いたい人が増えている、ということです。

その理由・要因には、それぞれ以下のようなものがあります。

  1. 企業の業績が好調に推移もしくは赤字から黒字転換
  2. 新製品の発表
  3. 他社企業の買収
  4. 証券会社の目標株価引き上げ
  5. 連想買い、思惑買い
  6. 配当金の増配を報告する
  7. 市場の昇格
  8. 株式分割
  9. 自社株買いや自社株の消却

それぞれについて解説していきます。

1. 企業の業績が好調に推移もしくは赤字から黒字転換

まず、一つ目が企業の業績が好調であることです。

企業の業績が好調であるということは、企業のビジネス・商売が上手くいっているということです。

企業のビジネス・商売が上手くいっているということは、その企業の企業価値が上がるということです。

つまり、その企業が持つ稼ぐ力(利益を生み出す力)が企業価値の向上に繋がります。というのも、株式会社は、株式の保有率によって、様々な権利を持つことになり、実質、持ち株比率が過半数を超えることで、株主総会の議決権を得ることができ、その企業を買収できてしまいます。

稼ぐ力が大きい企業を欲する企業や投資家は多くなるので、これも需要と供給のバランスで、需要が多くなり、稼ぐ力が大きい企業は必然的に株価が上昇し、時価総額=総発行株式数X株価も上昇します。

また、上昇修正(当初予想していた売上高、利益を上回る売上高、利益になること)や、赤字で売られ過ぎて、企業価値が下がり過ぎているときに、黒字転換した際には、期待が急上昇し、株価が上昇することが多くあります。

以下の「高千穂交易」と「木徳神糧」の記事で上昇修正企業の業績が赤字から黒字転換による株価上昇を紹介していますので、ご興味ある方は、ご覧頂ければと思います。

2. 新製品の発表

次が、新製品の発表についてです。

こちらも最終的には、「1. 企業の業績が好調に推移」に繋がることへの期待から来るものと考えています。

というのも、「画期的で他社が真似をできないような便利な新製品を作りました」となると、その製品が持っている便利な製品機能を求めていた人がその製品を買ってくれますし、さらに、他社が真似できないので、その製品の市場を当分の間、独占することができます。

そうなると、企業の売上や利益が増加し、企業価値が上がり、株価の上昇にもつながります。

以下の「三ッ星」の記事で新製品発表による株価上昇を紹介していますので、ご興味ある方は、ご覧頂ければと思います。

3. 他社企業の買収

次が、他社企業の買収です。

こちらも最終的には、「1. 企業の業績が好調に推移」に繋がることへの期待から来るものと考えています。

他社企業を買収するということは、企業の規模が大きくなり、売上や利益も増加します。

また、他社企業を買収する場合、自社にない技術を補完するためや競合他社を買収して、市場のシェアを増やすなど、様々な目的がありますが、他社企業を買収することで生まれるシナジー効果による、企業の活性化が期待できます。

その企業の活性化によって、新たなビジネスを展開できたり、自社にないノウハウでコスト削減に繋がったりすることで、企業の売上や利益が増加し、企業価値が上がり、株価の上昇にもつながります。

以下の「サッポロHD」の記事で企業の買収による株価上昇を少しだけ紹介していますので、ご興味ある方は、ご覧頂ければと思います。

4. 証券会社の目標株価引き上げ

次が、証券会社の目標株価引き上げです。

こちらは、少し毛色が変わった株価上昇の理由・要因となりますが、「1. 企業の業績が好調に推移」の結果から生まれる発表となります。

どういうことかと言うと、証券会社は企業を様々な観点から分析を行い、企業の業績予想を行っています。

その企業の業績予想において、「今後も業績が好調に推移しそうだな」と証券会社が判断すると、それに伴い、証券会社が発表している目標株価の引き上げが行われます。

その目標株価の引き上げが発表されることによって、個人投資家が、色々な情報を持って、分析を行なっている証券会社が目標株価を引き上げたので、今後も株価が上昇することが期待できると考え、株を買うことによって、株価が上昇します。

以下の「ゲオホールディングス」の記事で証券会社の目標株価引き上げによる株価上昇を紹介していますので、ご興味ある方は、ご覧頂ければと思います。

5. 連想買い、思惑買い

次が、連想買い、思惑買いです。

こちらも最終的には、「1. 企業の業績が好調に推移」に繋がることへの期待から来るものと考えています。

どういうものかと言うと、例えば電気自動車(EV)を製造している会社の決算の数値が好調に推移していることから、EV関連の電池やモーターを製造している会社が連想されて、EVを製造している会社が好調だから、電池やモーターを製造している会社も好調に違いない、と思惑だけで買われることです。

この連想、思惑によって、連想された銘柄の株が買われ、株価が上昇します。

もちろん、その思惑通りにいく場合もあるとは思いますが、企業は多角的に多種多様な分野で、ビジネスを展開してますし、ビジネスモデルも様々です。

ですので、その一部分だけを捉えて、決算が好調になるに違いないと思って、株を購入するのは、個人的には、少し怖いかな?と思ったりもします。

以下の「コメ兵HD」の記事で連想買い、思惑買いによる株価上昇を紹介していますので、ご興味ある方は、ご覧頂ければと思います。

6. 配当金の増配

次が、配当金の増配です。

こちらは、「1. 企業の業績が好調に推移」の結果からもたらされる株価上昇の理由・要因となります。

そもそも配当金とは、資本を提供している株主の方々に、提供してもらった資本を使って、利益が出たことに対して、利益の一部を株主に還元するために支払われる分配金のことを言います。

つまり、企業の業績が好調に推移し、利益がたくさん出た場合、利益が増えた分、前年より多めに配当金を渡すことが可能となり、配当金の増配につながります。

配当金の増配が発表されれば、配当金の恩恵を受けたい投資家が株を購入し、株価が上昇します。

ただ、配当金の増配で株価が上昇した企業の注意点としては、配当金には、権利落ち日(配当金の権利確定日の次の日)という言葉があり、権利落ち日になると、配当金を受け取れる権利が終わる日となるので、配当金狙いの一部の投資家が配当金の権利だけ取得し、権利落ち日に早々に株を売ってしまうことで、株価が下落することがよく起きますので、ご注意頂ければと思います。

以下の「円谷フィールズHD」や「キッコーマン」の記事で配当金の増配や安定配当による株価上昇を紹介していますので、ご興味ある方は、ご覧頂ければと思います。

7. 市場の昇格

次が、市場の昇格です。

市場の昇格とは、その名の通り、より厳しい上場条件がある市場に昇格することです。

現在の東京株式市場においては、「プライム市場」、「スタンダード市場」、「グロース市場」という3つの市場区分に分かれています。

それぞれ、「グロース市場」<「スタンダード市場」<「プライム市場」の順で、上場の条件が厳しくなります。

この市場の昇格がもたらす効果としては、企業のグレードが上がることもありますが、プライム市場に上場した銘柄は、TOPIX(東証株価指数;プライム市場の全株式の動きを示す指数)に連動した投資信託の購入対象銘柄となり、TOPIXに連動した投資信託がプライム市場に上場した銘柄を自動的に購入するので、投資信託もしくは、株価が上昇する期待を持った投資家に株が買われ、株価が上昇します。

以下の「ブルドッグソース」の記事で市場の昇格による株価上昇を紹介していますので、ご興味ある方は、ご覧頂ければと思います。

8. 株式分割

次が、株式分割です。

株式分割とは、総発行株式を企業が決めた割合で株式を分割することです。

例えば、発行済み総株式数が100万株の企業が、1株につき2株の割合で株式分割を行うと決めた場合、元々の1株が2株になるので、100万株 X 2 = 200万株の発行済み総株式数となり、100株持っていた株主の株数も200株になります。

この株式分割の影響としては、投資単位あたりの金額(株価)が引き下がることで、少額で投資をしている人も投資しやすくなり、投資家層の拡大を図れたり、株式市場に流動する株式が増えることで、株式の流動性の向上を図れるといった効果があります。

また、市場の昇格の条件に流通株式数などの株式数が条件になっている項目がありますので、市場の昇格も期待できることになり、株価が上昇します。

以下の「セリア」の記事で株式分割による株価上昇を紹介していますので、ご興味ある方は、ご覧頂ければと思います。

9. 自社株買いや自社株の消却

最後が、自社株買いや自社株の消却です。

自社株買いとは、文字通り、企業が自らの株を購入することを言います。

自社株の消却とは、自社株買いした株式を社内で消滅させる(総発行株式数を減らす)ことを言います。

自社株買いや自社株の消却を行うことの効果としては、発行済株式総数が減少し、1株あたりの利益(EPS; = 当期純利益 ÷ 発行済株式総数)の分母が小さくなることで、EPSなどの数値を改善でき、また、自社株の償却によって、株の流動数が減るので、需要に変化がなければ、相対的に株価が上昇します。

以下の「味の素」の記事で自社株買いや自社株の消却による株価上昇を紹介していますので、ご興味ある方は、ご覧頂ければと思います。

まとめ

今回は、株価上昇の理由・要因について、紹介をしました。

投資を行う銘柄を調査・分析する際は、今回紹介しました株価上昇の理由・要因に当てはまりそうかな?、という視点で見ると、また違った企業の見方ができるのではないかと思います。

また、相場というのは、人の心理によって、決まりますので、今回紹介しました株価上昇の理由・要因に当てはまっている場合でも、金融不安や戦争、〇〇ショックのような市場に不安が広がっている時は、株価上昇の材料もかき消されてしまいますので、注意が必要です。

しかし、歴史が物語っているように、一時的に株価が下落しましても、株価は上昇をし続けますし、各国が物価上昇率1%~2%を目標にし続ける限り、その分物価は上昇し、企業の業績にも還元され、株が上昇し続けるメカニズムは続くと思われますので、アメリカの有名投資家のウォーレン・バフェットも仰っているように、市場に不安が走っている時をチャンス(バーゲンセール)と捉え、株式を購入することで、安定した投資成績が残せるのではないかと思っています。

株式投資を始めたい方へ

株式投資をまだ始められていない方で、株式投資を始めてみようという方は、証券口座を開いて、自由資金で投資を始めて、投資の奥深さや面白さに気づいて頂ければ、幸いです。

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